久米さんは、ブログの書き手の重要な欲求として「ほめられたい」欲求を挙げていた。久米さんは、ブログを「夢をかなえるツール」と呼び、自己実現のためにブログを活用することを説き、多くの支持を集めている。
実際にブログを書き続けることで、人脈が広がり、仕事につながったり、自分の新しいキャリアが開けたり、という成功事例は数多くある。そして、そのような成功事例がブロガーにとっての目標であり、それを励みにブログを書き続ける人は多い。
これを社内ブログにあてはめてみた場合どうだろうか。社内で「ほめられたい」と思うことがあるか。あるいは、社内でブログを使って自己アピールをすることで、自分の社内でのキャリアが開けるか。これが「書き手」の目線で見たときの、社内ブログ活性化のキーファクターになるような気がする。
社内ブログで「今ひとつ書きたいことがない」というのは、久米さんの表現を借りると、「社内でほめられることは、想定内のことしかない」からかもしれない。たとえば営業部門における情報共有のブログであれば、営業成績の良い人の情報が求められ、そうでない人の情報は求められないのではないか、と考えてしまう。
ブログでほめられる人は、もともとリアルな世界でほめられており、リアルな世界でほめられることがない人は、いくらブログを一生懸命書いてもほめられない。そうなると、だんだんと書く動機づけがなくなってしまう。
逆に言えば、ブログの世界においては「想定外のほめられること」があれば、ブログを書く動機になるかもしれない。
先に紹介した、営業部門における情報共有のために社内ブログを導入している企業では、必ずしも営業成績のいい人と、人気ブロガーは一致しない。つまり、ブログの世界では想定外でヒーローになる人が出現しているのだ。
それでは、ブログで人気になれても、それは会社の中で評価されることにはつながらないのだろうか。実際にはそうではないはずだ。自分の発信した情報がブログで多くの支持を得ることは、企業においてインフルエンサーとして貢献していることであり、企業のいろんな人の業務の中で利益を生んでいる。 これまでもブログが、企業における新しい情報価値を見出すという話をしたが、ブログは、埋もれていた人材の発掘ツールになり得るのではないか。(後編に続く) |